おまけ

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ライン ドット

気のせいだったのかもしれないけど、誰かがリビングとキッチンの境のドアを閉じた様な音だった。振り向くとやっぱり開けっ放しだったドアが閉まってる。

 

(お姉さん?それとも和樹?)

 

どっちにしても、見られたって敬吾が知ったら怒り狂うに決まってる。ここは黙っていようって決めた。ひたすら低姿勢で謝り続けてお風呂に入れて上げたけど、敬吾を抱えてバスルームのドアを開けると

 

ドアの外に立ってた和樹と目が合った。

 

Holly shit!)

 

黙ってドアを閉めると敬吾が文句を言った。幸い、敬吾には和樹が見えなかったらしい。そのままバスルームの中でしばらくモタモタしてから、そっとドアを開けると、どうやら和樹は外に出てしまったらしかった。

 

今のうち

 

眠そうな敬吾を布団に包んでやると、直ぐに寝息を立て始めた。起きたらきっと機嫌が悪いだろうけど、これで暫くは静かにしてるはずだ。

 

玄関のドアを開けると、和樹が大きな買い物袋を幾つも提げてドアの外にしゃがみ込んでいた。

 

「悪りい。もう平気だから入って。」

 

声を掛けると、和樹が真っ赤な顔で「はい。」って返事した。やっぱりさっき見られてたらしい。買い物袋をキッチンに運ぶのを手伝って、小さな冷蔵庫に順番に野菜や果物を詰めながら一応聞いてみた。

 

「ひょっとして、さっきの見た?」

「す、すみません。加奈子さん今日は遅くなりそうだから、俺に先に行って夕飯の支度してくれないかって頼まれて、そのまさかお2人が居るとは思わなくて。」

「いいよ、俺が悪いんだから。だけど敬吾には黙っててくれない?あいつ和樹に見られたなんて知ったら怒り狂うから。」

「もちろん、そんな事誰にも言いません。加奈子さんにも黙ってます。」

「サンキュー、和樹。お前って良い奴だな。好きだよ!」

 

そう言ってウィンクしてやったら、また赤くなった。

 

敬吾は寝てるし、お姉さんが帰ってくる前に夕飯作るっていうから手伝うって言ったのに、やたらと遠慮される。

 

「何だよ?ひょっとして意識してんの、俺のこと?大丈夫だってお前なんか襲ったりしないよ。」

「いや、そういう訳じゃなくてその、じゃあお願いします。」

 

チキンスープ、じゃなくて鶏の水炊きっていうものを作るらしいけど、俺の分は野菜スープにしてくれるって言うから、俺は両方の分の野菜を刻み始めた。和樹が結構手際良く野菜を洗ったり、ヘタを取ったりして渡してくれた。

 

「料理、上手ですね。」

「普段やってるから。和樹も上手いじゃん。」

「僕も自分で夕飯とか作ってますから。」

 

そこで和樹が何となく黙り込んでチラチラ俺を見た。こいつがこういう風にしてる時は何か聞きたいことがあるってもう分かってるから、

 

「なに?」

 

ってこっちから聞いてやった。

 

「いや俺、さっきお兄さんの顔見えちゃって。どうしたらあんな顔させられるのかなあってあ!すみません、変な事言っちゃって!」

 

(確かにあいつ、もう気持ち良すぎて死ぬって顔してイクもんなー。)

 

「ま、敬吾はいつもああだし。」

「はあ。ああいう顔、どうしたらさせられるのか。」

 

和樹がぼんやりした顔で呟いた。何か情けない顔してるから色々聞いてやると、どうも和樹はそんなに経験豊富ってわけじゃなくてイマイチ自信がないらしい。話しながら和樹の手が完全に止まってしまって、俺はその間に野菜を全部切り終えた。

 

「これ、どうするの?」

「ああ、済みません。じゃあ後俺やりますから。」

 

と言いつつ、溜め息を吐いたりしてる。

 

「あのさあ、たまには和樹の方から押し倒してみたら?」

「え?けど、そんなことしたら嫌われませんか?」

「ま、その辺は相手によるよな。俺なんかさっき結構無理矢理だったから、敬吾きっと起きてきたらスッゲー機嫌悪りいから。」

「そうなんですか?でもさっきはその、ああいう顔で

「うん。最終的には感じてたけどね。」

 

鍋にチキンの固まりを放り込んで、和樹が考え込む様に首を捻った。

 

「俺、良く分かんないんですよね。加奈子さん優しいから。本当は俺のことどう思ってるのかひょっとして年下だから色々気遣ってくれてるんじゃないかって。」

「セックスに関してもってこと?」

「はあ

 

敬吾には俺がムードもへったくれも無いって言われるけど、そんなことは無い。俺に言わせれば、こういうことはもっとちゃんとオープンに話し合った方が良いってだけだ。

 

「聞いてみたらいいのに。」

「加奈子さんにですか?なんて?」

「気持ち良い?って。」

「ええっ?それいつ聞くんですか?」

「だからヤッてる時。」

「はああ

 

普通聞かないかな?俺なんかしょっちゅう聞いてるけど。気持ち良さそうって分かってても聞くし。どうでもいい相手なら一々聞かないけど、敬吾には毎回聞いてるよな。

 

夕飯を作り終えてしまってもお姉さんも帰ってこないし、敬吾も起きて来ないから、和樹と2人でリビングでそういう話になった。

 

「へえー、ああいう時によく喋れますね。」

「お前さ、こういう話してんだから敬語は止めろよな。大体お前の方が年上だろ?」

「そうなんですけど、祥平さんって年下って感じしないんですよね。」

「なに、俺が老けてるって言いたいわけ?」

「違います。そうじゃなくて“大人”だなーと。」

 

そう言って和樹がまた赤くなった。

 

「なんだよ。今度はなに?」

「その、祥平さんって

「祥平でいいって言ってるだろ。」

「えー、祥平って、ズル剥けだなって。」

「は?」

「その、さっき裸で風呂から出てきた時につい、見えて

 

そして視線が俺の股間で泳いだ。

 

「お前、なに見てんだよ。」

「モロだったんで

「そんな珍しい?手術済みのって。」

「手術?」

 

そう言えば敬吾のも少し皮被ってる。完勃ちするとちゃんと出てくるけど、小さい時は先っぽだけちょこんと見えて結構可愛い。俺は包茎なんてみっともなくて死ぬって思ったから、サンフランシスコに来て直ぐ知り合いに切って貰った。

 

「ええっ、そうなんですか?」

「そう、簡単だよ。ピッてメス一回入れたらお終い。俺のは仮性包茎ってやつだったから手術する必要ないって言われたけど、やっぱカッコ悪いから奇麗に剥いて貰ったんだ。」

 

和樹が痛そうに股間に手をやった。

 

「和樹のも見せてよ。俺のばっか見てずるいじゃん。」

「いや、俺はちょっと。」

「いいじゃん、減るもんじゃなし。別に触りゃしないって。」

「ちょ駄目ですって!」

 

ふざけてただけなのに、弾みでソコに触ってしまって硬くなってるのに気づいた。そしたら和樹が真っ赤になって俯いてしまう。

 

「悪りい。」

「いえ

 

(やれやれま、エロ話してたしな。それにしても、こういう時のストレートの奴って簡単に落とせるんだけど。しゃぶってやるって言ったらほぼ100%。俺の方が女より上手いのは確実だし。)

 

チラッとそんなことを思ってみたけど、万が一敬吾が起きてきたら泣くいや俺が和樹にフェラしてるとこ見たら、今度こそ逃げられると思ったから自制した。

 

敬吾にはこの手の軽いジョークってもんが通じないから困る。

 

「ま、敬吾は天然だけど、俺は色々やってるから。歯も治してるし、視力も。聴力は今の所問題ないかな。」

 

そう言うと和樹がやっと顔を上げた。

 

「そうなんですか?」

「うん。でも内臓は全部揃ってるよ。胃は切ってないし、腎臓も2つあるし、肝臓も機能してる。指もちゃんと動くし、頭は一部吹っ飛んでるけど、まあ出来は良い方だろ。」

「?」

 

不思議そうな顔した和樹にはそれ以上説明しなかったけど、俺にしてみればそれだけで上等。

 

考えてみれば、敬吾は今のままの俺が好きだって言ってくれたけど、もし俺が眼鏡とか掛けて汚い歯して、しかも皮付きでもそう言ってくれたかどうか。

 

(怪しいな。あいつ絶対面食いだし。そもそもあの時誘っても、ついて来なかったかも。)

 

その敬吾は、ぼんやりした顔で起きてきたかと思うと、早速俺に甘え出した。可愛い顔で苺をしゃぶり出すからまたムラムラきてしまう。俺、敬吾が食べてる顔に弱いんだよな。なんであんな無防備な顔で嬉しそうに食うかな?チュッチュッって音がまた

 

これ以上やりたいって言ったら絶対抵抗されるから、下らない冗談言って紛らわしたけど、次の日、俺の気も知らないで、他の奴に欲情してたんじゃないか?なんて意味不明のこと言うから、また切れそうになってしまった。

 

(まったく俺が敬吾の家族に会うんでどんだけナーバスになってんのか全然分かってない。)

 

玄関で一家勢揃いで出迎えられて緊張がピークに達したけど、話してみれば敬吾の家族は敬吾と同じ、優しくて、温かくて、敬吾と同じ種類の人達だった。良く考えたら当たり前だけど。

 

愛されて甘やかされて、敬吾が幸せ一杯に育ったのが俺にも伝わってきた。

 

子供の頃のアルバムとか見せて貰ったけど、お姉さんの後にくっついて泣き顔で映ってる写真が多くて、笑ってしまった。高校生の頃の制服着た写真なんかあんまり可愛いから一枚貰っちゃったし。

 

これで、あのアキって奴に食われるまでバージンだったなんて不思議過ぎ。

 

多分あの鈍さだから、周りに敬吾のこと好きな奴がいても気がつかなかったのかもしれない。おまけに怖がりだから、ああいう強引な奴に押し切られないと駄目だったのかも。いや、やっぱり単なる面食いか?

 

だけど敬吾のお父さんには参った。結婚なんて俺、まだそんな年じゃないって。まあ問題はそれだけじゃないけど。

 

それにしても敬吾の奴。俺がせっかく、敬吾とだったら結婚してやる、って言ったのに笑いやがった。ほんっとに鈍い奴。冗談に紛らして言ってるけど、本気だぞ。

 

こうなったらオーダーメイドのすっごいドレスで、敬吾とバージンロード歩いてやる。

 

もちろん俺の可愛い旦那様は、初夜に花嫁に犯されちゃうけどね。

ライン ドット

そんなわけで第二部も何とか終了。途中コメントやメールで励まして下さった皆様、本当にありがとうございました。おかげで何とかここまで続けることが出来ました!

 

それなのに大変申し訳ないのですが、日記にも書いた通り、ここで一端サイトもブログもしばらくお休みさせて頂きたいと思います。

 

復帰は早くても来年になりそうで、しかも復帰後は、もう一つの長編「微熱日記」の連載に戻る予定ですので、UTSの3部再開はひょっとすると1年後くらいになるかも(汗)

 

きっと皆様にすっかり忘れられた頃、更新を再開してると思います(涙)。いずれ検索サーチ様などで更新してるのを見かけましたら、また遊びに来てやって下さい。

 

ここまで読んで頂いて本当にありがとうございましたm(_ _)m

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