帰省

3

ライン ドット

「敬吾も一緒に入ろう。」

「え、俺は後から入るから。先に入れよ。」

「一緒に入って背中洗ってよ、けーちーん!」

「いいじゃないの。何を今さら照れてんのよ。一緒に入ってあげればいいじゃない。」

 

そうは言うけど…

 

(もう!一緒にシャワーなんてしたら、絶対こうなるから嫌だったのに。)

 

「止めろって!いやだったら…んっ…」

「なんだよ飛行機の中であんだけ焦らしといて…こら、大人しくしろ。」

「やだ、聞こえる!」

「だから何?お姉さんどうせ分かってるよ。あの和樹って人もいい奴じゃん。俺達のことも知ってんだろ?」

 

だから嫌なんだよ。着いてそうそうみっともない!

 

「ほら、これ。噛んで。」

「あ…」

「へへっ。ストロベリー・フレーバー。また作ってもらったんだ。ほら、あーん。」

「んっ…くっ…ん…」

「そうそう、いい子にしてれば直ぐ終わらせるから。」

「うんっ…ぐっ…くふっ…」

 

なんでローションもボトルごと持ってくるかな?

 

「敬吾、けーご…はっ…んんんっ…ああっ!」

「はあ…。」

 

おまけに自分だけとっととイクし。

 

「悪りい…。」

「もういいよ。先に身体洗っちゃって…って、ちょっ…や…なんでまた…あっ…」

「敬吾、イッてないし。」

「いい…俺はいいって、あっ…ぐっ…」

 

また口の中にグニュグニュしたイチゴの味が…。

 

そのまま舌で嬲られたり、歯を立てられたり、指で弾かれたり、摘まれたり…乳首ばっかり弄られて、あっという間に逆上せ上がった。声が出せない分、余計に敏感になるみたいだ。しまいには、そこばっかり舐めまくる祥平の髪を掴んで、引き剥がした。

 

「こっちも触って欲しい?」

 

色っぽい上目遣いで聞かれて、コクコク首を縦に振ると、

 

「んんっ…ぐぐっ…くっ…うう…」

 

バスタブの端に座って、壁に背中を付けた不安定な姿勢のまま、両足を広げて自分で抱え上げさせられた。そのまま後ろに指を入れられると、更に前を嬲られ、音を立てて吸われた。

 

「このままイク?入れて欲しい?」

「ぐっ…ふっ…う…」

「欲しいの?」

「ん…」

「俺に掴まって…ほら。いい…腰落として…そう…ゆっくり…いいよ…」

「うっ…うう…くっ…んっ…」

 

バスタブの縁に座った祥平に向き合って、抱えあげられながら繋がった。両手と両足を背中に絡めると、下から強弱を付けて最初は浅く…そして深く…突き上げられる。

 

「ぐうっ…くんっ…んんん…」

「辛いの?平気?」

「んっ…ふっ…うう…くっ…」

 

返事のかわりに祥平にしがみつくと…

 

「んんんー!」

 

いきなり祥平が俺を抱えて立ち上がり、俺の背中を壁に押し付けたまま揺すり上げた。その瞬間それまで以上に深い場所を突き上げられる。その体勢のまま容赦なく腰を打ち付けられて、声を上げそうになった。祥平が片手で俺の口を塞ぐ。

 

「ううっ…くっ…ぐっ…んん…んっ…」

「ああ…敬吾…けいご…はあ…あああ…」

 

勢いよく身体が跳ね、全身に震えが走った。力が抜けて、ズルズルと壁を滑る俺を祥平が抱き留める。

 

「敬吾、敬吾…ごめん。辛かった?」

「頭…痛い…」

「壁にぶつけたの?どこ?」

「そうじゃないけど…なんかズキズキする。」

 

必死に声を噛み殺そうとしたせいか、頭が痺れたようになってしまっていた。

 

祥平がお湯を張って、俺をバスタブに座らせると、そのまま俺の頭をゆっくりと撫でる。

 

「少し深呼吸して。そう…頭支えてるから、身体の力抜いて。もっとぐったりしていいから。」

「はあ…。」

「どう?まだ苦しい?」

「もう平気みたい。」

「良かった。」

 

そのままそっと俺の頭を抱えると、おでこに何度か優しくキスをくれた。

 

「このバスタブじゃ、一緒に入るのは無理みたいだな。」

 

その途端、ここが誰の家で今がどういうシチュエーションか思い出した。

 

「もういいから、お前は先に出ろ。」

「自分で洗える?」

「平気。もう全然平気だから。」

「うん。敬吾も早く出ておいで。後であのラブリーなフトンで愛し合おうね。」

 

どうしてそういう台詞を真顔で言えるかな?

 

そもそもセックスっていうのは、もう少しミステリアスかつ何というかこう…ムードと言うか…そういうのがあるべきだろ?あっけらかんとし過ぎなんだよ、あいつは。

 

ドライヤー使いながら、ご機嫌で鼻歌まで歌ってるし。

 

Dance with me

Just let me fxxk you

Till the break of day

Do it to me

 

ん?ちょっと待て…なんだこの歌は!

 

思わずバスルームのドアを開けて怒鳴った。

 

「ちょっと、その歌は止めろよ!」

「なに?びっくりした。もう出るの?」

「姉貴は英語分かるんだぞ。そんな歌聞かせるな!」

「なんだよ、人がいい気持ちで歌ってるのに。ジャスティン・ティンバレークだろ?」

「嘘つけ!歌詞が違う!歌詞が!」

「ちょっとした替え歌じゃん。気に入った?」

「と、とにかく、人前では歌うなよ。」

「ったくうるさいなー、ゴチャゴチャ。はいはい、わかったよ。」

 

Rock Your Body*…ま、もともとその手の歌詞ではある。

 

でもなんで、わざわざ変な替え歌にするかな?あんな綺麗な顔して、どうしてあいつはああ下品なんだ?

 

ブオーッとドライヤーで前髪を乾かしながら、鏡の前で溜め息を吐いた。

 

(恥ずかしくてバスルームから出られないじゃん。どんだけ長風呂だよ、来る早々…。)

 

その繊細な俺の心情をまったく無視して、ドンドンとドアがノックされた。

 

「ちょっと、けーちん。いつまで入ってんの?お風呂で寝ないでよ!ご飯出来てるから、サッサと食べなさい。」

「わ、分かった。もう出る。」

 

とっくに乾いてる髪をもう一度ドライヤーの風に当てると、俺は諦めて服を着た。

 

「敬吾、なにやってたんだよ?」

「そうよー。祥平君、ご飯の支度手伝ってくれたのよ。」

 

バスルームを出ると、姉貴と祥平が仲良くキッチンに並んでディナーを皿に盛り付けていた。和樹君がそれをテーブルに運んでいく。

 

「手伝います。」

「いいわよ、もう終わったから。そこに座って。」

 

姉貴と祥平はまったく屈託がない。チラッと和樹君の顔を見ると、気のせいか視線を外されたような…

 

ああ、落ち込む。

 

食べながら姉貴と祥平は盛んに喋るけど、和樹君は寡黙で、時々チラチラ俺と祥平の顔を見比べた。

 

普通の人だもんなー、やっぱ嫌だよね。しかも来る早々バレたろうし。

 

「何さっきから見てんの?」

 

祥平も気づいてたらしく、可笑しそうに和樹君に聞いた。

 

「い、いえ、その…祥平さんみたいな奇麗な人がやっぱ…その、そうなるのかなーって。」

「そう、俺ってやっぱそんなにいい男?」

 

ちょっとムカッ。

 

「じゃあ俺は何なの?」

「あ、お兄さんも可愛いです。お姉さんにそっくりだし。」

「あら、和樹君ったら。」

「別に無理しなくてもいいよ。」

「ちょっと!どういう意味よ、けーちん。」

 

そして和樹君がまたチラッと祥平の顔を見ると、更に気まずい沈黙が…。

 

「何?聞きたい事あったらこの際聞きなよ。なんでも答えるよ。」

「いや、その、それは…いえ、やっぱりいいです。なんでもありません。」

「気持ち悪いなー。言いかけたことは最後まで言えよ。」

「そうよ、和樹君。あたしも気になる。」

「いいじゃん。もういいって言ってるんだから、無理に聞かなくても。」

 

しかし、祥平は言いかけたことを引っ込められて、そうですかって引き下がることは無いし、姉貴もやたらと煩い。和樹君が真っ赤になって、

 

「その、祥平さんが女役…なんでしょうか?いやあの、いいです。気にしないで下さい。」

 

ええ、何なのこの人?

 

真面目そうな顔してそういうこと聞く?ストレートにとっちゃどうでも良くない、そんなん?

 

「それがねー、和樹君。あたしもちょっと驚いたんだけどさー、違うの。」

 

コラッ!なんで姉貴が答える!

 

「そ、そうなんですか?じゃあお兄さんが?」

「まあねえ。この子の場合、前もそうだったみたいだから。」

「うるさいっ!そんなんどっちでもいいだろ。俺だって時々、その…。」

「俺達、最近マンネリを避けて色々試してますんで。」

 

祥平がそう言った途端、姉貴がすごい大声を上げた。

 

「ええーっ!ひょっとして、あんた達ってリバるの?」

「りば?」

「ああ…ロール・リバーサル**?上手いこといいますね。日本語って面白いよな。そう、俺達たまにリバります。」

 

何なんだ?それは何の用語?

 

それに姉貴が興味深々なのは知ってたけど、なんで和樹君まで?

 

「はあ…便利ですねえ。」

 

便利って…。

 

「まあね。基本的にどっちもOKだから、俺も敬吾も。ま、上手い下手ってのはあるけど。」

 

しかもハハハッって?なんでそこで皆して受けるの?

 

「和樹君も何なら試す?そこの変態兄ちゃんは何でもありだから。」

 

俺がそう言ったら、祥平にバシッて頭を張られた。

 

「痛い!何すんだよ!」

「お前は性格の良いのが取り柄なんだから、そういう意地の悪いこと言うんじゃない。」

「そーよー、けーちん。和樹君になんてこと言うのよ。」

 

そのまま俺を無視して、姉貴と祥平が仲良く会話を続けた。

 

「このエッグプラント、えーっとナスのピクルス美味しいですね。」

「そう?けーちんの分もどんどん食べてね。」

 

ふん!俺は、一番大きい丸のままの茄子を掴むと口に放り込んだ。

 

「ちょっとおー、あんたは他にも食べられるものあるんだから、祥平君の分食べないでよ!」

「俺だってこれ好きだもん。」

「この形と大きさ…口に入れるの大好きだよな。」

「うっ、ぐえっ…」

「汚い!何やってんのよ!」

 

ワーワー言いながら食べたせいか、夕飯を食べ終わる頃にはグッタリ疲れて、もう目を開けてられなくなった。

 

「ごめん…俺もう寝る…。」

「俺が後片付け手伝いますから。」

「いいわよ。祥平君だって時差ボケあるんだし。和樹君が手伝ってくれるから。」

「じゃあお休みなさい。今日は色々ありがとうございました。」

「あら、いいわよ。改まって、そんなこと。ゆっくり寝て下さいね。」

「はーい、お休みー。晩飯美味かったよー。」

「いいからあんたはサッサと寝なさい!」

 

フカフカの枕に顔を埋めたとたんに眠くなった。

 

「敬吾、もう寝た?」

「ん…寝た…」

「ごめんな、さっきは乱暴にして。愛してるよ。止まんないくらい…好き…。」

 

後ろから抱えられて頭を撫でられる。背中が温かくて、俺の大好きなポジション。

 

でも俺は返事のかわりに、ただクフンと小さく鼻を鳴らした。

 

散々俺をからかった罰。愛してるなんて言ってあげない…。

ライン ドット

*Copyright by Justin TimberlakeRock Your Body

 

**しつこいようですが、リバはロール・リバーサルじゃなくて、英語だとバーサタイル。リバって言われると、でも咄嗟に思い浮かぶ英語はリバーシブルじゃないような気が…ってまあ、それこそどっちでも良いですね^-;

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