宣誓!

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ライン ドット

結局そのまま押し切られて泊まっていく事になってしまった。

 

疲れてるから泊まってけって言ってたくせに、服着たままベットに入るなって言われて…裸で寝てたら身体触ってくるし、触られればついつい俺も…。

 

一応形だけは抵抗してみせたものの、どうせもうヤッちゃった相手な訳で…それにさっきのアレは何だったんだろうとか好奇心もあって…結局は一晩中犯りまくってしまった…。

 

久し振りに触れる誰かの肌が心地よくて、夢中になると彼にしがみ付いてアキの名前を呼ぶ俺に、彼が何度も自分の名前を繰り返した。

 

(祥平...アキ…そうじゃない…ああ…)

 

時々ウツラウツラして、目を開けると彼の顔がボンヤリ見えて…。終いには気持ちいいんだか何なんだか、自分がちゃんとイッてるのかどうかも分かんなくて…気が付いたら…朝…。

 

(…身体中痛い…。時計は?時計…何でベッドルームに時計が無いんだよ…。俺の時計は…、あった…10時…え、ええー!)

 

今日は水曜日じゃん!

 

昨日は市民権取得のセレモニーに出ますって行って休みを取ったけど、今日は会社を休むなんて言ってない。もういつもならさすがにオフィスにいる時間だ。

 

朝早起きして直接会社に行けばいいなんて言っといて、あんなことされたら起きれる分けない。

 

…けど…

 

祥平…か。たしかに幸せそうな、平和な顔で眠ってる。寝顔もやっぱり凄く奇麗で、怒る気になれない…。

 

これで俺の方が犯られました、って絶対おかしいと思うんだけど…。俺が可愛いとか言ってたけど…こいつ鏡見た事あるんだろうか?誰と比べて俺みたいなの可愛いとか言うんだろ、変な奴。

 

けど俺、身体ベトベトしてない…また拭いてくれたんだろうか?寝る前にシーツも取り替えてくれたし…結局またグチャグチャにしちゃったけど。でも、縫い目の詰んだ高そうなコットンのシーツは肌触りが良くて、裸で寝転ぶと気持ち良かった。

 

こうしてると無邪気な顔…。お金持ちのお坊ちゃんで、まだ学生で、強引で、意地悪で、乱暴なのに、突然優しくしたりして…どういう奴かさっぱり分かんない。

 

とにかく起きると面倒だから、今のうち…。

 

俺はなるべく音を立てないように服を着ると、ベットの横に落ちてた財布とキイを拾ってジーンズのポケットに入れた。

 

(犬は下かな?)

 

コソコソ階段を降りると首を突き出してドーベルマンを探した。そしたらどうやらカウチの陰が定位置らしくて、二匹ともそこから首を突き出して俺を見ていた。敵意は無いように見えたから、俺はゆっくりリビングを横切ってドアに向かって歩いた。

 

ドアを開ける前に振り返ると、犬達は俺にはもう興味が無さそうにカウチの陰に隠れてしまっていた。出て行くのは勝手らしい。だけど、そう思ってドアを開けた途端にアラームが鳴り出して、俺は慌ててドアを閉めると家の前に停めてあった車に飛び乗った。

 

(近所の人に泥棒と間違えられて通報されたらどうしよう。)

 

俺の方が被害者?なんだよな??

 

そのはずなんだけど...

 

「バック好きだから後ろから入れて」とか言ってなかったか、俺?最後は自分でケツ突き出したりして...

 

あーあ...最低...。被害者意識も持てないくらいやりまくりって...

 

280号を南に下る。さすがに朝の渋滞はもう終わっていたけど、車のシートに座っているだけで…腰がだるい…。お尻もジンジンするし…。結局俺は自分の家のあるexitでハイウェイを降りてしまった。

 

普段会社を休む事は滅多に無いんだし、たまには病欠してもクビになる訳じゃない、って開き直った。コンドミニアムのパーキングに車を停めて上司の番号に掛けると、幸い朝の遅い彼はまだ出社してなくて、俺は「気分が悪いから休みます」っていう簡単なメッセージをボイス・メールに残した。

 

メール・ボックスからジャンク・メールを取り出して捨てる。どうせ手紙なんか来ないのに毎日チェックしないと、すぐスーパーの広告とかのゴミで一杯になってしまう。

 

コンドの廊下に立って部屋のドアにキイを差し込むと、俺は足元に注意しながら細めにドアを開けた。

 

思った通りアキが俺の足にじゃれついた。ホールに出てしまわないように、アキを抱き上げてドアを閉めた。

 

「ごめんな。お腹すいたろ?」

「みゃああわああー!」

 

オレンジっていうかブロンドっていうのか、光の加減でちょっとづつ色が変わってみえるロン毛の雌猫の名前はアキ。

 

3年くらい前、ちょうど人間のアキが結婚した頃、レスキュー・センターから引き取った俺の大事な娘だ。その頃は片手で摘めるくらい小さくて、元は捨て猫だったから、お腹の回虫やら何やらで病院を何度も往復したのに、今では10lbを越える元気な女の子に成長した。

 

餌のボールは見事に空っぽで、そこにドライ・フードを山盛りにしてあげた。でもアキは餌を食べる前に、俺の足に何度もおでこをゴッチンして喉を鳴らし、そのうち俺の足を掴んで引っくり返った。

 

アキは尻尾と手足の先っぽ、それにお腹が真っ白で、お腹を見せて引っくり返ると愛敬たっぷりだ。俺がしばらくお腹を撫でてやると、安心したのかアキはようやく餌を食べはじめた。その背中をしばらく撫でてやってから、ボールの水も替えてあげた。

 

スニーカーを脱ぎ捨ててカウチに横になると、やっとホッとした。狭いコンドだけど自分の家があるのはありがたい。

 

アキが日本に帰ってしまった後、何とか俺がぶっ壊れずにやってこれたのはこの家があったからだという気がしてる。

 

そもそもこの家が買えたのもアキのお陰なんだけど…。

 

こっちに来たばかりでアパートを捜してる俺に、持ち家を買えって勧めてくれたのはアキだ。ちょうどカリフォルニアの不動産の値段が急上昇してる時期で、今投資しとけば絶対損しないって言われて思い切って買った。

 

大学を卒業したばかりの俺には当時で2ベッド・ルーム、1バスのコンド25万ドルは手が出なかったけど、アキが保証人になってくれて、ついでに頭金の25千ドルも貸してくれた。金利が高くて、いきなり毎月の返済にヒーヒー言う貧乏暮らしが始まったけど、今となってみれば最高の投資だった。

 

もし今このコンドを買おうと思ったら、倍の50万ドルじゃ足りない。何年か前に金利が落ち込んだ時にやっぱりアキに言われて、低金利の長期ローンに組み替えたおかげで、月々の支払いも今ではアパートの賃貸料よりも安い。おまけに持ち家のローンは税金控除だから、少し貯金も出来るくらいになった。

 

アキは一度も俺に金を返せとは言わなかったっけ…。今となってはこのコンドが手切れ金みたいなもんだよな…なんて自嘲してみる。もし俺が女だったら何回妊娠してるか分かんないし。

 

…もし、俺が女だったら結婚してたかな、アキと?

 

アキみたいなエリート・サラリーマンと付き合ってて良かったってこと。同じ捨てられるにしても、ヤクザな男に身包み剥がれてボロボロにされてたら、って考えたらまだマシな方。経済的な余裕はある程度気持ちの余裕にも繋がる。

 

だからって心の痛みが無くなる訳では無いけれど…。

 

シャワーしてベットで寝ちゃおうか、ソファーでTVでも見ながらゴロゴロしようか迷ってると、アキが俺の腹に乗って喉を鳴らしはじめた。

 

「どしたアキ?お腹膨れた?マッサージして欲しい?ブラシにしようか?櫛がいいかな?」

 

櫛が見当たらなくてブラシで毛を梳いてやると、アキは気持ちよさそうに首を伸ばした。これは喉を撫でて欲しいっていう合図。片手で喉や耳の後ろをアキの動きに合わせて撫でてやりながら、もう一方の手でアキの背中や尻尾をブラッシングしてると、そのうち俺も欠伸が止まらなくなった。

 

「もーいいだろ、アキ?俺眠いからシャワーして寝るよ。」

 

熱いシャワーを浴びると身体のあちこちが痛い。バスルームの鏡を見ると全身にキスマークの跡があった。

 

ゲッ、いつの間に!しかも首にも…このまま仕事に行ってたら服の上から見えるトコじゃん!アノヤロー、何がそのまま仕事に行けばいいだよ!

 

とは言うもののベットに倒れ込んでいつもなら考えてしまうアキの事が遠く思える。しかも何かとってもスッキリした気分なのは、きっともう死ぬっていう位犯りまくったりしたせいなんであって…。

 

笑っちゃうよね。ワン・セッションに100ドル位取られるセラピーより、行きずりのセックスの方が効果満点なんて、俺って実は凄い単純?アキがいなくて淋しかったんじゃなくて、身体が淋しかっただけ?

 

止め止め。セラピストにself pityが一番いけないって言われたっけ。確かに俺の悪い癖だよな…。

 

別にいいじゃん何だって…スッキリしたんだし。どうせ、あいつだっていつもやってる事なんだ。…そうきっと誰だってするような事なんだし、深く考えることはないんだ。

 

別にセックスは好きな人としなきゃいけないなんて決まりはない…そう割り切ってしまえば楽になれる…はず…。

 

ベットに転がって横になってるとアキが俺の背中にくっ付いてきた。

 

「アキは俺が好きだもんね。」

 

そう人間のアキは俺を捨てたけど、猫のアキちゃんは俺が好きだ。

 

餌をくれる人なら誰でもいいなんて事は考えちゃいけない…。

ライン ドット

 

後書きというか言い訳

 

作者が自分の趣味にどっぷり浸って書いてるってあらかじめ書いときましたけど、言った通りでしょ?っていうかここまで読んで下さった方いらっしゃいますか?途中で呆れてサヨナラされてしまったような悲しい予感...。半端なバイリンが主人公のため、いつも以上の駄文になってます。

 

作者にとっては書きやすいこの話、読んで下さる方にとっては?

 

一応祥平は日本生まれのアメリカ育ち、敬吾は日本生まれの日本育ちってことで、この2人の関係を描くことで、私なりのアメリカ人観(?)っていうものを書いてみたいと思いました。

 

BLでなくてもいいんじゃないの?

 

でも普通の♂x♀じゃ一行も書けないからしょうがありません。ついでに「日記もどき」っていうコーナーも作って、そこでエロ用語の解説なども始めてみました。興味のある方はチェックしてみてねww

 

で、この話の問題はやっぱり受けの年でしょうか?

 

受けは高校生、でもまあ大学生までなら許せる。20代前半は?っていう方には非常にキツイこの年齢設定。言い訳をさせて頂ければ、東洋人は若く見られます。そうでなくても30代を平気で「若者」と定義してしまう、おおらかでアバウトなアメリカ文化。周りから子供扱いされていると、年だけ食ってもあんまり成長しません。でもこのボケボケした受けをこれから作者がビシビシ鍛えて男にしてやりますので、宜しければお付き合い下さい。

 

日本人しか登場しないって紹介文書きましたけど、冒頭いきなり2人してアメリカ市民になってました。日本国籍っていうお宝をポイ捨てなんて、とんでもない奴らなんです(><)

 

そんな訳で第一部のタイトルはNothing  Sacred = 罰当たり。

 

もしここまで読んでくださって、「続きを載せたら読んでやるよ」っていう方がいらっしゃいましたら、その一言だけメール下さい。励みにいたします。

 

以上。長々と失礼致しました(><;)

 

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